哺乳類は直接観察が難しいため、痕跡(フィールドサイン)を利用して生息状況を把握することが重要です。主な痕跡には足跡や糞、食痕、角とぎ跡などがあります。
記事の内容
・哺乳類の痕跡の特徴について
・痕跡の見分け方について
サル目(霊長目)
ニホンザル
食痕
樹木の冬芽を採食するニホンザル
雪の下の堅果類を採食するニホンザル
足跡
ニホンザルの足跡
特徴
・親指と他4本の指が分かれている
・前足は横長、後足は縦長
(ヒトの手足に似ている)
ニホンザルの足跡(群れ)
【ニホンザル被害】ニホンザルによる農作物被害と対策
ニホンザルは本州・四国・九州(屋久島・種子島などの島嶼部を含む)に分布している日本固有種です。雑食性で、果樹類や果菜類・根菜類・葉菜...
ウサギ目
ニホンノウサギ
足跡
特徴
・縦に2つ(前足)、並行に2つ(後足)の足跡が特徴的
食肉目
ツキノワグマ
足跡
タヌキ
キツネ
足跡
特徴
・直線的な足跡
・4本の指跡が残る
偶蹄目
ニホンイノシシ
イノシシの足跡はやや湾曲した2つの蹄の跡と、副蹄(ふくてい)の小さな跡が2つ残るのが特徴です。しかし、雪原では副蹄の跡がわかりづらいため、シカとの区別が難しい事が多いです。
食痕
雪の下にある堅果類(ドングリ類)や根を採食するために掘り返している痕跡。
タケノコを採食した痕跡
足跡
特徴
・やや湾曲した2つの足跡
・副蹄(ふくてい)の小さな跡が残る
※ ぬかるんだ場所や雪原では残りにくい
ぬた場
泥擦り
【イノシシ被害】イノシシによる農作物被害と対策
イノシシは偶蹄目イノシシ科の哺乳類で、西日本を中心とした本州・四国・九州・八重山諸島などの島嶼部に生息しています。イノシシは植物を中...
ニホンジカ
シカの足跡は細長い2つの蹄の跡がつきます。副蹄(ふくてい)という小さな蹄もありますが、やや高い位置にあるため足跡には残りづらく、副蹄の跡の有無でイノシシと区別ができます。ただし、雪原ではイノシシの副蹄が残りづらいため、区別が難しいことが多いです。
特徴
・細長い2つの足あと
・副蹄(ふくてい)の跡は残りづらい