記事の内容
・鳥類の痕跡の特徴について
・痕跡の見分け方について
カモ目
マガモ
マガモは冬鳥として全国に渡来し、湖沼・池・河川・河口・海岸などに生息します(斎藤,2017)。冬季には水田で二番穂(ひこばえ)などを採食しています。
足跡
マガモの足は前側の第2〜4趾と後ろ側の第1趾からなる三前趾足(さんぜんしそく)であり、第2趾と第3趾・第3趾と第4趾の間に膜(水かき)がある標準蹼(ひょうじゅんぼく)と呼ばれています(小宮・杉田,2012)。カモ類の足は泳ぎや潜り、歩き、舵を取るとき、着陸(水)時にはブレーキとなります。
特徴
・前側の第2〜4趾と後ろ側の第1趾からなる三前趾足
・第2趾と第3趾・第3趾と第4趾の間に膜(水かき)がある標準蹼
マガモの足跡(雪原)
スズメ目
ハシボソガラス
足跡
ハシボソガラスの足は前側の第2〜4趾と後ろ側の第1趾からなる三前趾足(さんぜんしそく)であり、後側の第1趾が大きく発達しています(小宮・杉田,2012)。つかみ、握り、歩き、おさえることに使われます。
特徴
・前側の第2〜4趾と後ろ側の第1趾からなる三前趾足
・後側の第1趾が大きく発達している
ハシボソガラスの足跡(雪原)
食痕
ハシボソガラスの食痕
ツグミ
ツグミは冬鳥または旅鳥として全国に渡来し、平地から山地の林、農耕地、都市公園、河原などに生息しています(斎藤,2017)。
足跡
ツグミの足は前側の第2〜4趾と後ろ側の第1趾からなる三前趾足(さんぜんしそく)であり、第1〜4趾の大きさのバランスが良いしっかりとした趾をもっています(小宮・杉田,2012)。ツグミの足跡は、やわらかい泥の上や雪の上で観察することができます。積雪があった際は雪が溶けやすい河川敷などで群れて採食している姿を観察できます。
特徴
・前側の第2〜4趾と後ろ側の第1趾からなる三前趾足
観察ポイント
・やわらかい泥の上や雪の上
・公園や河川敷などが観察しやすい
ツグミの足跡(雪原)
食痕
ツグミの食痕
参考文献
- 小宮輝之・杉田平三(2012). 鳥の足型・足跡ハンドブック. 株式会社文一総合出版.
- 森茂之,山中成元,河村久紀. 水稲ヒコバエの生育と野生獣による採食の実態およびその生育量を減らす営農管理技術. 2011.
- 斎藤 博(2017).フィールド図鑑 日本の野鳥 第2版.株式会社 文一総合出版.