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トレイルカメラで野生動物(哺乳類・鳥類)を撮影する方法

 『トレイルカメラ』は、赤外線センサー搭載しており周辺温度の変化を検知して写真や動画を自動で撮影するカメラです。主に狩猟用のカメラとして開発され、海外ではTrail CameraやGame Cameraとも呼ばれています。トレイルカメラは、普段では観察することが難しい警戒心が高い動物や夜行性の動物・出会うと危険な動物(クマ等)などの撮影が可能です。また、農地に出没する野生動物を撮影することにより農作物被害の特定等に活用することができます。本記事ではトレイルカメラの特徴と野生動物の撮影方法について解説します。

記事の内容

・トレイルカメラの特徴

・野生動物の撮影方法

トレイルカメラとは

特徴

 『トレイルカメラ』は、赤外線センサー搭載しており、周辺温度の変化を検知して写真や動画を自動で撮影するカメラです。主に狩猟用のカメラとして開発され、海外ではTrail CameraやGame Cameraとも呼ばれています。トレイルカメラは、普段では観察することが難しい警戒心が高い動物や夜行性の動物・出会うと危険な動物(クマ等)などの撮影が可能です。また、農地に出没する野生動物を撮影することにより農作物被害の特定等に活用することができます。さらに、不法投棄の監視カメラや防犯カメラなどにも活用されています。

 トレイルカメラは主に正面のメインセンサーで野生動物を検知して撮影を行います。斜め方向の動きを検知するサブセンサーが搭載されている機種もあります。夜間(日中でも暗い場所)の場合は上方の赤外線フラッシュが点灯し白黒で撮影されます。

 トレイルカメラのメリット普段では観察できない野生動物を撮影する事ができます。また、設置・メンテナンス・回収以外では野生動物の生息域に立ち入らないため、本来の姿を撮影する事ができます。

 一方デメリットには設置直後に野外では見慣れないカメラを警戒する点や、夜間(日中でも暗い場所)は白黒での撮影である点、草の揺れや日光で反応して野生動物以外が撮影される点です。

メリット

  • 普段観察できない野生動物を撮影できる
  • 警戒していない自然本来の姿を撮影できる

デメリット

  • 設置直後は見慣れないカメラを警戒
  • 基本的に夜間(日中でも暗い場所)は白黒撮影
  • 野生動物以外(草の揺れ等)でも反応してしまう

トレイルカメラ製造会社

Bushnell Coaporation

 Bushnell Corporationは1948年にDavid P. Bushnellによって設立された、スポーツ用光学機器やアウトドア製品を専門とするアメリカの会社です。日本への新婚旅行の際に2箱の双眼鏡を購入し、カリフォルニアで通信販売を始めた事が最初の事業でした。現在では双眼鏡・望遠鏡・スポッティングスコープ・ライフルスコープ・ドットサイト・GPSデバイス・レーザー距離計・暗視装置・その他光学機器等を製造しています。

 Bushnellの自動撮影カメラは、トロフィーカム(TROPHYCAM)のブランド名で販売されています。トロフィーカムは機種によりますが、センサーを内蔵した電池で作動する防水カメラで、静止画や動画を撮影することができます。撮影した映像はSDカードに保存されます。

Zhuhai Ltl Acorn Electronics Co., Ltd.

 Zhuhai Ltl Acorn Electronics Co., Ltd.は、デジタルトレイルカメラの開発と製造に特化した中国 珠海市のハイテク企業です。トレイルカメラは「Ltl Acorn」の商標で販売されています。狩猟・セキュリティ監視・野生動物研究など、さまざまな目的で利用されています。

トレイルカメラの設置方法

設置場所

 トレイルカメラで野生動物を撮影するためには、動物が通過する場所(獣道・排水溝)や痕跡がある場所(糞やぬた場)・えさのある場所に設置する必要があります。また、農作物被害が発生している場所に設置することで、加害鳥獣種の特定が可能です。

獣道

 野生動物の踏み跡によって道になっている箇所を探してカメラを設置します。

イノシシの獣道

イノシシ

獣道を通過するイノシシ

イノシシのぬた場

ヤマガラ

 ぬた場に水を飲みに来たヤマガラ。

野鳥の止まり木

 野鳥が良く止まる場所にカメラを設置。

ジョウビタキ

農作物

 ヒヨドリ被害(ブロッコリー)が発生した場所にカメラを設置。

設置方法

 綺麗に撮影するためには、野生動物に合わせて高さを調整する必要があります。現地の地形や状況にもよりますが、大型動物では約50〜100cm程度、中型・小型動物では約30〜60cm程度が設置高さの目安です。

 カメラの機種によっては20m先の動物も撮影する事もできますが、3〜10m程度に野生動物が通過するように設置すると効果的に撮影できます。

樹木に設置

木の杭に設置

 枝などをはさんでカメラの角度を調整。

参考文献

  • Bushnell HP.(https://www.bushnell.com/).
  • Zhuhai Ltl Acorn Electronics Co., Ltd. HP.(https://www.ltlacorn.cn/webPage/view/tabOne/8?languageId=2).